訪問購入

使わない切手を、家まで買い取りに来てもらうとき——消費者庁の解説は、切手とはがきも「訪問購入」の規制の対象物品と書いている

家にある切手を、業者に来てもらって売ってもいいのか迷う人は多いはずです。消費者庁の法律の解説は、郵便切手とはがきを、訪問購入の規制の対象物品と書いていました。

この記事を読むと、家まで買い取りに来てもらうときに当たる決まりと、契約したあとでもやめられる期間が分かります。

先に結論
・切手とはがきは、使用済みかどうかにかかわらず、訪問購入の規制の対象物品と解説にある
・頼んでいないのに自宅で勧誘すること、査定の依頼を超えて勧誘することは、法に抵触すると書かれている
・書面を受け取った日から8日以内ならクーリング・オフでき、その間は切手を渡すのを拒める

家に来てもらって切手を売ると、どの決まりが当たるの?

特定商取引法の「訪問購入」の決まりです。特定商取引法ガイドの定義は次のとおりです。

「訪問購入」とは、購入業者(※1)が、店舗等以外の場所(例えば、消費者の自宅等)で契約を締結等して行う物品(※2)の購入のことをいいます。

定義の(※2)には、政令第34条に挙げられた物品を除くとあります。除かれる物品の具体例の表には「有価証券」の行があり、切手の名前は出てきません。切手が有価証券に当たるかどうかを書いているのは、法律の解説のほうです。

また、郵便切手、はがきはそもそも「有価証券」には該当せず、使用済みであるか否かにかかわらず、本章の規制対象物品であると解される。

頼んでいないのに来た業者は、どうなるの?

頼んでいない人の自宅で勧誘することは、禁止されています。特定商取引法ガイドは、これを「不招請勧誘の禁止」と呼んでいます。

事業者は、訪問購入に係る売買契約の締結についての勧誘の要請をしていない者に対し、相手方の自宅等で売買契約の締結について勧誘をし、又は勧誘を受ける意思の有無を確認してはいけません。

査定だけを頼んだ場合も、同じ頁に線が引かれています。

いわゆる飛込み勧誘や、単に相手方から査定の依頼があった場合に、査定を超えて勧誘を行うことは、法に抵触することになります。

勧誘を始める前に、業者は名乗ることになっています。氏名(名称)、勧誘をする目的であること、購入しようとする物品の種類の3つを、先に告げなければならないと頁にありました。

契約したあとで、やめられるの?

書面を受け取った日から数えて8日以内なら、クーリング・オフできます。特定商取引法ガイドの説明はこうです。

訪問購入の際、売買契約の相手方が契約を申し込んだり、締結したりした場合でも、法律で決められた書面を受け取った日から数えて8日以内であれば、相手方は事業者に対して、書面又は電磁的記録により申込みの撤回や契約の解除(クーリング・オフ)をできます。

8日を数える起点は、法律で決められた書面を受け取った日です。書面には、物品の種類、購入価格、代金の支払の時期と方法などを書く決まりです。クーリング・オフの事項は、赤枠の中に赤字で書くとあります。

業者がクーリング・オフについて事実と違うことを告げたり、威迫したりした場合の扱いも書かれています。そのせいでクーリング・オフしなかった人は、8日を過ぎていてもクーリング・オフできるとありました。

クーリング・オフしたあとの切手と代金は、業者の負担で戻す形です。受け取った代金の利息を返す必要はなく、損害賠償や違約金を払う必要もないと頁にありました。

8日の間は、切手そのものを業者に渡さずにおくことができます。業者が期間内に直接切手を受け取るときには、渡すのを拒めることを告げる義務があります。

業者が期間内に切手をほかの業者に引き渡した場合の決まりもあります。そのときは、渡した先の氏名や住所、渡した年月日などを、遅滞なく売った人に知らせる義務がありました。

クーリング・オフの効果は、その先の業者にも及ぶと頁にあります。先の業者が、クーリング・オフされうることを知らず、そのことに過失もなかった場合は除かれていました。

渡すのを拒めることについての頁の書き方は、次のとおりです。

売買契約の相手方は、クーリング・オフ期間内は債務不履行に陥ることなく、事業者に対して契約対象である物品の引渡しを拒むことができます。

切手に詳しくないまま売ると、何が起こりうるの?

価値を説明しないまま全部売らせる勧誘は、解説の中で禁止の例として挙がっていました。顧客の知識や経験に照らして不適当な勧誘を扱う省令第146条第3号の説明に、切手の例がそのまま載っています。

例えば、切手収集が趣味だった亡父の切手を譲り受けたものの、切手に全く詳しくない息子に対し、購入価格決定の根拠となる当該切手の有する価値に関して何ら説明せず、自宅にある切手を全て売却する契約を締結するよう勧誘する行為は、本号に該当する。

場面決まり根拠
頼んでいないのに業者が来た自宅での勧誘は禁止特定商取引法ガイド(不招請勧誘の禁止)
査定だけを頼んだ査定を超えた勧誘は法に抵触特定商取引法ガイド
契約した書面を受け取った日から8日以内ならクーリング・オフ特定商取引法ガイド(第58条の14)
8日の間に切手を渡すよう言われた渡すのを拒める特定商取引法ガイド(第58条の15)
価値の説明がないまま全部売るよう言われた解説が禁止の例に挙げている法律の解説(省令第146条第3号)

来てもらったときに確かめる所

まとめ:あなたの場合はどれ?

こんなときは、この記事の話と違う

よくある質問

使用済みの切手やはがきでも、同じですか

解説は「使用済みであるか否かにかかわらず」と書いていました。どちらも訪問購入の規制の対象物品として扱われています。

宅配で切手を送って売る場合も、同じ決まりですか

この記事で読んだ2つの資料は、宅配での買取に触れていませんでした。宅配の場合の決まりは、この記事の範囲の外です。


出典

来てもらう前に、受け取る書面の中身とあわせてご確認ください。

上の出典を引いて確かめた日:

次に読む

記事をすべて見る